モータの特性測定方法
モータの特性方法にはいくつもあります。
HOクラスの鉄道模型で使われるモータを測定する場合、測定器の負荷やカプリングによる誤差の問題で、自動測定器はなかなか使えないようです。
私の行っている測定方法は、なるべく費用をかけずに、手軽にかつ正確に測れるものだと思います。
まず、用意するのは、
- 非接触式回転数計
- 力測定器(ばね計りで代用可)
- 分銅
- プーリー(半径が1cmだと計算しやすい)
- 糸(できるだけ細くて柔らかいもの)
- モータ固定台(万力に木片を貼り付けて代用しています)
- 電圧計
- 電流計(普段は使っていません)
これを用い、以下の様に測定します。
- 力測定器を何かに吊るします。
- モータのシャフトにプーリを取り付けます。
- モータに所定の電圧を加え、回転させ、回転数計で回転数を測定します。これが無負荷回転数です。
- 力測定器の測定部に糸を取りつけ、モータの回転とは逆になるようにその糸をプーリに1回巻き付けます。
- 上記の糸の先に分銅を取り付けます。
- モータを回転させます。
- その時の回転数を非接触式回転数計で測定し、力測定器の示す値を読み取ります。
- (分銅の質量×重力加速度−力測定器の値)×プーリの半径
がモータに加わっているトルクです。
- 分銅を変えて繰り返して測定します。
- 測定したデータを、横軸にトルク(gf-cm)、縦軸に回転数(rpm)でプロットし、近似直線を描きます。
- その直線と横軸が交わった点が起動トルクとなります。
この測定法で問題なのは、
- 実際のモータの特性は直線ではない。(直流モータの特性は理論上、直線ですが、損失が非線型です。)
- 起動トルクを直接測っていない。
ということです。
しかし、起動トルクは直接測ってもモータの回転角でトルクが異なる事や発熱の問題でむしろ誤差が大きくなる可能性が大きいと思います。
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森井 義博 (morii yoshihiro)
mory@morii.jp