モータの選び方
- 鉄道模型でモータを選択する時いくつかの選び方があります。
ここでは私の経験に基づき、モータの特性を中心にHOクラスの機関車に最適なモータを選ぶ方法を書きます。
- 動輪に加わる重量を調べます。
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- HOクラスの機関車の場合、車輌の重量で良いと思います。
- その重量から牽引力を求めます。
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- 牽引力は、以下の式で求められます。
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- 牽引力 = 動輪上重量 × 0.18
0.18 の数値は私がこれまで牽引力を測定した結果から導き出した経験値です。
- 動輪の直径を求めます。
- ギアの減速比を求めます。
- 次の計算式からモータが必要とする最大トルクを求めます。
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- 最大トルク = 牽引力 ÷ 動輪半径(cm) ÷ 減速比 ÷ ギア効率
ギア効率は、普通のウォームギアの場合、0.2 コースティングギアの場合、0.4位です。
例えば、牽引力70gf、動輪半径1cm、減速比 1:36 普通のウォームギア使用の場合、
最大トルク = (70 ÷ 36) ÷ 0.2 = 9.7gf -cmとなります。
実際には牽引力に関係の無い固定の負荷があり、5gf 多く見積もっておくと良いでしょう。
- 次の計算式からモータが必要とする回転数を求めます。
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- 回転数(rpm) = (実物の最高速度(km/h) × 縮尺) ÷ (動輪直径(mm) × 3.14) ×16667× 減速比
例えば、縮尺1/87、動輪直径20mm、最高速度100km/h、減速比 1:36の場合、
回転数 = (100 × 1/87) ÷ (20 × 3.14) ×16667× 36 = 10982rpmとなります。
なお、16667という値は、時間を分に換算する1/60と、kmをmmに換算する1000000を掛けた値です。
- 次の条件を満たすモータを選びます。
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- 起動トルク > 最大トルク × 2
無負荷回転数 = 回転数 ÷ (1 - 5/起動トルク)
上記までの例ですと、
起動トルク > 14.7× 2 = 29.4(gf-cm)
無負荷回転数 = 10982 ÷ (1 - 5/30) = 131784(rpm)
これにあてはまるモータを特性表から探します。
マクソンRE013-020-13EAA100Aですと、12Vの時
起動トルク 3.1mNm(32gf-cm)
無負荷回転数13280rpm
で丁度良い特性です。
スリップぎりぎりで機関車を走らせ続けたい場合は、最大連続トルクが、最大トルク以上のモータを選択してください。
特性表に最大連続トルクが書かれていない場合は、上記、起動トルクの計算式の'2'を'3'にして下さい。
- あと、絶対条件として、モータの寸法が機関車に入る事が必要です。(あたりまえですが)
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- 上記の例はHO(1/87)のC59を想定しています。
結構小さなモータで充分であるということがおわかりいただけると思います。
モータを小さくした分、ウェイトを積めるので、それだけ牽引力を上げることができます。
この様に機関車の必要なモータの特性を求め最適なモータを選択することができます。
でも、鉄道模型用のモータは特性が公表されていないことが多いという大きな問題があって、機関車に入る最大のモータを選ぶといった程度の事しかできないという現実もあります。
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